幸せホルモンを分泌して、家族間・対人間コミュニケーションを円滑にしよう。
幸せホルモンって何?
世間で言われている幸せホルモンは、正式名称『オキシトシン』といいます。
お母さんの母乳にも含まれているホルモン物質の一つなのですが、人の五感が満たされて、嬉しいな、楽しいな、気持ちがいいなと人が感じられたときに脳で作られます。
脳で作られたオキシトシンが分泌されると、やさしい気持ちになったり、幸せな気分になるため幸せホルモンと呼ばれています。
どうやって幸せホルモンって分泌できるようになるの?
①五感に心地いい刺激を与えて、嬉しい、楽しい、気持ちいいを日々増やしてみよう。
五感(見る(視覚)・聴く(聴覚)・嗅ぐ(嗅覚)・味わう(味覚)。触れる(触覚))は、
美しい景色を見る、映画を見て感動する、好きな音楽を聴く、いい香りを嗅ぐ、美味しいものを食べる、家族やパートナー、友人と、手をつないだり、目を見て話したり、背中をさすったりすることで研ぎ澄まされていきます。特に繰り返し触れ合ったり、目と目でじーっと見つめ合うことでオキシトシンの分泌量はさらにアップしていきます。
②積極的に人と交流してみよう。(哺乳類。特にイヌとの交流もOK)
人と接することで自分にも相手にもオキシトシンは分泌されます。直接相手と触れ合うことができなくても、日々あいさつを交わす、感謝の気持ちを『ありがとう』と言葉に出して表す、思いやり、関心を持って人付き合い(人と交流する)するだけでもオキシトシンは分泌されます。
そもそもこのオキシトシン、【飼い主とイヌが触れ合うことで互いにオキシトシンが分泌される】という麻布大学の研究チームによる論文が、アメリカの『サイエンス』誌に掲載され、世界でも話題になり、日本でも広く知られるようになりました。
ですので、イヌ等の哺乳類との交流でも分泌されることがわかっています。
幸せホルモンを分泌するのは残念ながらスマホやIT機器では難しい。。。
日々私たちの生活に欠かせない、スマートフォン、パソコンなどのIT機器は便利な一面、頼りすぎてしまうことで、五感の中の嗅覚、味覚、触覚が育まれなくなり、退化してしまいます。特に現在IT革命の副作用で『現実(リアル)=オフライン』での触れ合いの機会がどんどん減少し、触るものといえば、『キーボードかスマホ画面』という私たち現代人にとっては、明らかに『オキシトシン不足』になりやすい状況にいます。
1日数分からでもスマホやタブレット、IT機器から目を離してみて、家族と目を見て直接話す時間を創ったり、家族と話しながら背中を少しさすってみたり、日ごろの買い出しでも親子、パートナーで、手を繋いで買い物したりしてみましょう。
少しずつオキシトシンの分泌量がアップしていきますよ。
幸せホルモンでコミュニケーションが円滑になるってどういうこと?
幸せホルモン『オキシトシン』が分泌されると私たちに以下のような効果をもたらしてくれるといいます。
- 幸せな気分になれる。
- 脳、心が癒され、ストレスが緩和される。
- 不安や恐怖心が減少する。
- 他者への信頼の気持ちが増す。
- 社交的となり人と関わりたいという好奇心が強まる。
- 親密な人間関係を結ぼうという気持ちが高まる。
- 学習意欲や記憶力が向上する。
- 心臓の機能を上げる。
- 感染予防につながる。
特に緑文字の3項目は、人と人(親子間)コミュニケーションに大きくかかわる要素かと思います。このオキシトシン分泌させない手はないですよね。
まとめ
子どもの成長過程において、五感のうち触覚は一番初めに発達する感覚です。
また、オキシトシンをつくる細胞は、生後早い時期から形成されます。
小さいころから、触覚をつかさどるスキンシップを多くとって『気持ちいい。』というポジティブな感情を親子共々沢山経験していくことは、心の発育上とても大切なことです。
スキンシップを楽しみながら、まずは家族で直接触れ合うことから、オキシトシンの分泌を促して、コミュニケーションを円滑に幸せな日々を過ごしていきましょう。
この記事を書いた認定講師
市原尚子
講師の情報は2020年1月10日現在の内容です